2014年6月28日土曜日

ガーデニングとぎっくり腰




 くんし蘭の花が終わって5月に植え替えたのだが、どうも元気がない。
小雨が降る肌寒いベランダで、5鉢の植え替えをすることにした。
葉を欠いたり、用土を取り換えたりベランダいっぱいに広げた。
中腰で斜め右に手を伸ばした時、ほんの少し腰に違和感を覚えた。
「やっちゃったかな」と思いながら作業を続けた。痛みは増してくる。

過去魔女の一撃で、呼吸もできないほどの痛みに2~3度襲われたことがある。
昨年も腰痛と膝痛に悩まされブロック注射・リハビリ・マッサージなど
整形外科に通っていた。

今年初めて挑戦したかすみ草

そんな時、五木寛之さんのエッセイ『心の天気図』を読んだ。
開いた最初のページに『膝を屈すること』が載っていた。

二足直立歩行を始めた時から人間は腰痛を宿命付けられている。
腰痛に完治はない。手術をしようが、牽引をしようが、鍼灸に頼ろうが、
気功、カイロ療法を選ぼうが、腰痛を根本からとり去ることはできない。

出来ることは一つ腰痛を出さないように飼い慣らして、生きることだけだろう。

ヒントは「膝は曲げるためにある」という古人の言葉である。
腰は折るが、曲げない。膝はできるだけ深く屈する。
魔女の一撃も、日常の困難も、膝を屈してやり過ごすしかないのだ、とあった。


お隣から山形のサクランボを頂きました

しかし、腰痛が治まると、膝をかばっていつの間にか
膝を深く曲げることが、おざなりになっていた。

今回2~3日寝込んでしまったが、1週間で腰痛は治った。

動きが取れなくなった数日は、テレビを見るか本を読むしか選択肢はない。
図書館で借りてきた本の中に

芝木好子さんの短編集『奈良の里』があった。
1988年の作品で、東京の街の片隅や、川の流れ、風のおとずれなど
東京の風物詩が描かれている。しっとりとした心地よさが伝わってくる。

芝木好子さんの長編小説『ガラスの壁は』女性のガラス彫刻家が主人公で
読み進むにつれ、スイスのサンモリッツが舞台になっていく。

スイスは10年前、退職した直後初めての海外旅行に訪れた場所だ。
旅慣れたお友達が細かく面倒をみてくれた。
手持ちのパンフレットを持ってきてくれたり、
外貨の交換に立ち会ってくれたりした。

そのお友達が今、スイスに行っている。
グリンデルワルトを中心に、2週間の旅だ。
私も同行したかったのだが、2週間家を空けることが難しく断念した。

その彼女が今、どんな風景と出会い、どんなものを食べ、
どんな出会いをしているのか・・・・・どんどん想像が広がった。

本と旅の思い出と、お友達の旅
サンモリッツには行ったことはないのだが、いろんなことがからみあって、
スイス旅行をしているかのような思いだった。





額アジサイ


整形外科の医師から「ガーデニングはもう終わったの」と聞かれた。
「延々と続きます」というと「ぼちぼちやってください」とのこと。

ゆっくり読書を楽しむことができたのは、不幸中の幸いだった。

今度こそ膝を深く屈することを身につけようと強く思った。


手前の黄色い器は植木鉢です
 
 
 
 
 








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