2012年11月22日木曜日

本・読書の思い出


 38歳で他界した父との思い出は数少ない。

小学校へ入学したお祝いだったと思うのだが、
私にとっては重くて分厚い小さい活字の本が贈られた。
小さな挿絵があったと思う。
中味については、ほとんど覚えていないのだが、
「小人の靴屋さん」を読んだ記憶は残っている。短編集だったと思う。
ちょっぴり大人扱いをされたような、喜びと、父の私への思いを意識していたのか、
特別な気持ちを抱いたように思う。



最も多読したのは、高校生時代だった。

図書室には本が充実していた。
日当たりのいい窓際で読書をしたり、図書係を担当して
あこがれの先輩が借りた本をこっそり読んでみたりした。

当時「いづみ」という月刊誌が紹介され、私も購読していた。
貧しい暮らしの中からの出費は痛かったが、
「ジャン・クリストフ」 ロマン・ロラン作(ベートーベンの生涯)を題材にしたという
小説が連載されており、毎月冊子が届くのが待ち遠しかった。
高校生時代で、もっとも強い影響を受けた本だと思う。

中間テスト、期末テストなど、勉強しなければと思いながらあの本を読みたいなど、
誘惑に駆られたそんな記憶も懐かしく思い起こされる。

しゅうめい菊
夏休みは部活と読書、
フランスの古典、全集も読み漁った。
スタンダール アンドレ・ジイド フロ-ベル モーパッサン 
ヘルマン・ヘッセ トーマス・マン

本を通して、さまざまな経験を重ねることができた。

市立図書館にも通った。
薄暗い書架の間を通り、本の背表紙を眺め、時折手にとって目次を見たり、
あとがきを見たり、こんな本もある、、、とわくわくしながら歩いたものだった。

山ぶどうなのか公園の垣根に絡みついていました
今自宅の本棚に多く並んでいる作家の本は、五木 寛之さん
青春の門は夢中になって読んだし、生きることに関するエッセイも沢山ある。
けれども、お若いころの短編で、大人のおとぎ話のような作品は、忘れることができない。




今、図書館で、借りてくるのは画集や、北欧のインテリア、雑貨
そして何よりも詩集・俵万智さんの短歌集。
読書の秋! 次は何を借りてこようかな。

私にとって読書の時間は極上の時間・いい時間です。

初島で撮ったリュウゼツランです5mくらい